
園長便り2025-07
2025.07.04
「グリーンタイム」
園長:中村貫太郎
街路樹の緑がいっそう濃くなり、夏の訪れを感じる季節となりました。日ごとに暑さが増し、いよいよ夏本番を迎えておりますが、保護者の皆さまにはお変わりなくお過ごしでしょうか。園でも、熱中症に十分配慮しながら、日々の活動に取り組んでいるところです。
さて、皆さまは「グリーンタイム」という言葉をご存じでしょうか。業種によってさまざまな意味を持つ言葉ですが、幼児教育の分野では、「日光を浴びながらの外遊び」を指します。実はこのグリーンタイムは、子どもたちが「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムを身につけるための大切な鍵でもあります。
日中にしっかりとグリーンタイムを取ることで、自律神経や免疫、ホルモンなどの“防衛体力”が整えられます。とくに重要なのは、日光を浴びることです。そのうえで体を動かすと、より高い効果が期待できます。とはいえ、暑さの厳しい今の時期は、無理に運動をする必要はありません。外を歩いたり、木陰で過ごしたりするだけでも十分に効果があるとされています。
適度に動かして疲れた体は、夜になると自然と眠くなり、部屋を暗くすることでメラトニン(眠りを促すホルモン)の分泌が促され、早寝へとつながります。十分な睡眠が取れると朝もすっきりと目覚め、体が「お腹がすいた」と感じることで、朝ごはんもしっかり食べられるようになります。こうした流れが、子どもたちの健やかな生活リズムをつくる「よい循環」になります。
一方で、この循環を妨げるのが「スクリーンタイム」です。スクリーンタイムとは、ゲームやスマートフォン、タブレットなどの画面を見て過ごす時間のことを指します。この時間が長くなると、脳が興奮状態になりやすくなり、メラトニンの分泌も抑えられてしまうため、寝つきが悪くなる原因になるといわれています。せっかくグリーンタイムで整えられた体と心の状態も、夜のスクリーンタイムによって乱されてしまう可能性があります。そのため、就寝前のスクリーン使用はできるだけ控えることがすすめられています。
間もなく夏休み期間に入りますが、ご家庭でもグリーンタイムとスクリーンタイムのバランスに目を向けていただき、お子さまが心も体も健やかに過ごせる生活習慣づくりに、ぜひご協力をお願いいたします。