
園長便り2025-02
2025.04.18
「慣らしの大切さ」
園長:中村貫太郎
新年度を迎え、幼稚園の水槽に新しく7匹の金魚をお迎えしました。購入してすぐに水槽へ入れられたら楽なのですが、水槽へ移すためには慣らし期間が必要です。
慣らしはまず、水温を合わせることから始めます。購入したときに金魚を入れてもらった袋の口をとじたまま、水面に浮かべて1時間くらい待ちます。水温が合ったところで、次に水質を合わせていきます。袋の口を開けて少しずつ水槽の水を混ぜます。混ぜてはしばらく待つという作業を3回くらい繰り返します。最後は袋を水の中に沈めて金魚が自分で出て来るのを待ちます。その後は金魚が水槽の環境になれるまで、2日くらいエサはあげずに様子を見ていきます。
こうした慣らし作業は手間がかかりますが、環境の変化による金魚のストレスを軽減してくれます。個体差はあるでしょうが変化が急激だとストレスで弱ってしまい、結果として病気になりやすくなってしまうそうです。また、急激な水質変化はpH(ペーハー)ショックというショック状態をおこして、金魚が死んでしまう可能性もあります。
幼稚園でも、年度初めには慣らし期間が設けられています。今週までの午前保育期間は、金魚でいえば、水温を合わせている段階といえるでしょう。子どもにとって環境の変化は、大人が思っている以上に大変なことです。特に新入園児にとっては、初めてのことが沢山なので、情報を処理して環境に自分を適応させていくために沢山の力を使っていることでしょう。お家ではやってもらえるのに、幼稚園では自分でやらなくてはいけないことがあるなど、家と園との違いにも戸惑いを覚えているかもしれません。幼稚園の少し緊張する環境で過ごす時間と、安心するお家で過ごす時間を行き来しながら、少しずつ慣らしていきましょう。
来週は個人面談週です。保護者の皆様と、お家での様子と園での様子の情報を共有して、子どもにとっての最善を探していけたらと思います。