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園長便り2025-19

2026.02.13

「ペップトーク」
園長:中村貫太郎

札幌では雪まつりが開催され、遠くイタリアでは冬季オリンピックが開幕しました。大会初日
から、スノーボードで木村葵来(きら)選手が金メダルを獲得したことがニュースになっていました。

スポーツ観戦をしていると、競技前に緊張している選手へ、コーチが励ましの言葉をかける姿を目にします。これは「ペップトーク」と呼ばれ、短く、分かりやすく、ポジティブな激励のショートスピーチだそうです。ペップトークの「PEP」は、元気・活気・活力などを意味する言葉です。これに「TALK」が加わり、「激励演説」と訳されます。

前回のWBC(ワールドベースボールクラシック)の決勝戦前に、大谷翔平選手が語った「憧れるのをやめましょう」というショートスピーチは、メディアでも大きく取り上げられました。その後には、「憧れてしまっては越えることができない。自分たちは越えるために、トップになるために来た。今日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」という内容が続いていました。

ペップトークは、次の4つのステップで構成されます。
①事実の受入れ

②とらえ方の変換

③してほしい行動の提示

④背中のひと押し

例えば、発表会の前で緊張している子どもに対して、「①初めての発表会は緊張するよね」と事実を受け入れます。次に、「②それはあなたが本気で取り組んできた証だよ」と、とらえ方を変えます。そして、「③今日までの練習と自分を信じてごらん」と行動を促し、「④あなたならできると信じているよ!」と背中を押します。

大切なのは、②のとらえ方の変換や、③のしてほしい行動を伝える際に、前向きな表現を使うことです。子どもが「できること」「できそうなこと」を言葉にすることがポイントです。「あそこで失敗しないようにね」といった後ろ向きの表現では、人間の脳は失敗するイメージが強く浮かんでしまうといわれています。緊張している時、不安そうな時こそ、前向きな言葉に変換して伝えてみませんか。子どもたちの背中をそっと押す言葉を大切にしながら、一人ひとりの成長を応援していきたいと思います。

 

※私幼時報1月号の記事より一部引用